星に願っても…。
「トワもマサキも優しすぎるんだよ…。」
篠咲さんはカウンターの向こうに座りつぶやいた
「はい…。私もそう思います。たまに心配になるんです。」
「心配?」
「えっと…。なんか、こう…。どっかに行ってしまいそうというか…。なんか勝手に抱え込んでふっといなくなってしまいそうで…。大丈夫かなって…。」
そうだ。あの二人は正反対のようで実は似ているんじゃないかなって思う。
一人で抱え込んで知らないうちにふっといなくなってしまいそうで…。
「あ。少し分かるな。それ…。でも、きっとキラちゃんもあの二人と似てるよ。」
「え?」
「なんかね、目が似てる。」
篠咲さんはジーっと私の目を見た。
「ほら。きれいな目。アハハッ」
「えぇ?」
この人はなんなんだ?何を考えているのかまったくわからない。ま、トワもマサキもだけど…。
「アハハッかわいいなっ」
「もぉやめてくださいよぉ」
「マサキは…。妹の敵をとるために必死なんだ…。いつもはヘラヘラしてるだろ?でもほんとはいっつもあいつの心には妹がいて一秒たりとも忘れることができなくて苦しんでるんだ…。」
いきなりそんな話されても困る…。
第一、妹の話しなんて聞いたことなかったし…。
「マサキの妹は殺されたんだ。島原というやつに…。島原財閥の社長だ。すべての商売と名の付くものに手を出し、あそこまで大きくなった…。その陰ではいろいろあってね…。」
それからマサキの妹の話を聞いた。
マサキの妹さんの名前はアヤカということ。
アヤカさんのとしは私の一つ下だということ。
アヤカさんは学校の帰り道、島原財閥の二男。島原ハヤトが運転する車にひかれ亡くなった。
島原財閥が軌道に乗り始めていた頃だったという。
島原は金でその事件をにぎりつぶした。
会社を大きくするために…。
葬式に島原は来て、言ったらしい。
あいつの車の前に出てきた妹さんが悪いんだ。私たちの邪魔をしようとするから。
と…。
「マサキは…。」
「ん?」
「マサキは私が守ります。」