星に願っても…。




カランカラン




「はぁ…。」




「こんなに広かったっけ?」




休日にここに来るなんて…。




しかもトワだけのために開けるなんて…。





とか思いつつエプロンを手に取り、着ようとしている…。




習慣ってこわいね。






「あ、テキトーに好きなとこ座っといて」





「ん。」





トワが座ったのはこの間ユウヤさんが座った席。





「ご注文は…?」




私は、水をトワに出して、そう、いつもと同じ、お決まりのセリフを口にする。




「あ、あぁサンドウィッチで。」





少し笑いながらトワは言った。






「かしこまりました。」






どうせなら、おいしいものを食べさせて、見直されたいな。的な?



そんなこと考えてみたりして…。





「ふふっ」






「なんだ?一人で笑って。気持ち悪い」






「なんかおかしいなって」





私はアハハッとまた笑う。




トワは氷をカランと指でまわしてクスリと笑った。






なんとなく、なんとなくだけど…。




このまま時が止まればいいのにって…。思ってみたりして…。






「なぁ…。キラは好きな人いないの?」






「はっ?!」




トワがそんなこと聞くないんて…。


なんかびっくり。





「いや。なんとなくさ?だってお前もいい歳だろ。」




余計なお世話だ。と言いないけど、トワの言ってることは正しい。





「んー。いない。というか好きってどういうことをいうのか分かんないし。」





そう。最近、好きという感情がいまいち分からなくて…。

まぁ、最近というよりずっと分かっていなかったんだろうけど…。



分かってないことに最近気づいたわけで…。





「はぁ…。」





「なんでため息なの!」





「恋でもしたらお前、ちょっとは変わるんじゃね?」





「え?なんで変わらなきゃだめなの?今のままで十分いい女でしょ?」





「はいはーい。」






「おまたせしました。」






サンドウィッチをトワに出す。





「お。思ってたよりおいしそう」






「おい!どういう意味だよ!!」






思ってたよりってなんだよ!!






「ふふっ。うそうそ。おいしそうです。」





笑いながらサンドウィッチを一口…。





私はトワの顔を覗き込みながら聞く。






「おいし…い?」






「んーーー。」






「え?」





まさか…。まずい?






「うまい。」






はにかみながらそう言うトワに…。




ほんのちょっと…。





ドキッとした…。




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