星に願っても…。




「私の夢に、ユウヤさんが出てきたんです。ううん。違う。ずっと前から私の夢に出てきていた男のひとの一人がユウヤさんだったんです。
私の記憶の中にユウヤさんがいたんです。
ユウヤさんと会うようになってから頻繁に頭痛がして、それと一緒に誰かの笑顔が浮かぶようになったんです。


これって…。偶然ですか?」




ユウヤさんの顔はいまだに変わらない。優しい顔で話を聞いてくれる。





「俺は、分かんない。なんでキラちゃんの夢の中に俺が出てくるのかも…。」





「なんで…。なんで…。なんで!!」




自分でもビックリするほど大きな声が出た。





「なんで、みんな隠そうとするの?私は知らないほうがいいんですか?私は何も知らないままなんですか?」




その瞬間、またあの笑顔が見えて、笑い声が聞こえて…。



こぼれ落ちる涙は止めようと思っても止められなくて、気が狂ったように叫んでも涙は止まらなくて…。





「もうやめろ!」




ユウヤさんの声は私の叫び声にかき消され、私の頭の中では夢がフラッシュバックする。




笑い声、泣き声、話声…。



全部聞こえてくる。それをかき消すために叫んで叫んで…。





ユウヤさんにどれだけきつく抱きしめられても




私は叫び続けた…。




ユウヤさんの腕の中で私はまた意識を手放した。

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