星に願っても…。
結局どれだけ考えても答えは見つからなかった。
「わかんないか。じゃぁ、俺が教えてやるよ。」
「お前は俺の妹の大野キラ」
「……。」
声にして返事をしたいのになに声が出ない…。
大野キラ。私は大野キラ。この人の言っていることは本当なのだろうか…。
「ホントだよ。」
ドクンッ
心を見透かされたようだった。
「キラは俺のたった一人の家族なんだ。俺と一緒にいよう。」
そう言って私の“お兄ちゃん”は私の手をとった。
「ぁ…。」
ありがとうの一言でさえ声にならない…。
「うん。ま、今日はもう寝ろ。また明日話そ。」
私は記憶喪失なの…?
何も思い出せない。
「じゃ。おやすみ」
ガタン
ドアが閉まった
「……。」
ほっとした。“お兄ちゃん”が出て行ってほっとした。
記憶がないから不安なの?
あの人のことがこわいの?
どれだけ自分に問いかけても答えは返ってこなかった。