星に願っても…。
夏休みに入った。




宿題はやっぱり終わりそうにない量…。




勉強というものをそろそろしなくては…。と思ったりもする。



でも、テスト勉強は二週間前からちょこちょこやって、前の日に詰め込んでおしまい。



テキトーだけど、案外点数も取れて…。毎回20位以内の成績。



ほかの二人もそう。



とくにユウは…。いつも10位以内に入る。




そんなこんなでやっぱり焦るということができないというか…。





どぉせ、そこそこのとこに進学して、そこそこのとこに就職。



まぁ、就職は結構難しいかもしれないけど…。なんとかなるだろうな…。




なんて甘い考えを貫き通すつもり。




夏休みだから、暇だから、といって毎日勉強するわけでもなく…。



だらだら過ごしていた。



あれから病院へは行っていない。



タクが少し一人でいたいと言うので最近はユウと二人で宿題やったりいろいろと楽しくやっていた。




タクを刺した犯人はまだ分からない。



正直、殺したいとも思ったけど…。



タクに


「変な気おこして殺すとかやめろよ。楽しくなくなるだろ」



って言われてからはあまり考えないようにしていた。




タクは元気だし、たいして心配ごともなく過ごしていた。





でも…。ユウと家でゲームをしていたとき…。



電話が鳴った。





「もしもし。」


















「母ちゃんが…。死んだ。」


















電話の向こうの声はまぎれもなくタクの声で…。



「今朝、病院の屋上から飛び降りたんだ…。」
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