星に願っても…。
あら、リナちゃんじゃない!ゆっくりしてってね。



また三人で悪いことしたの?悪い子ねぇ。あははっ



わぁ、リナちゃん!大きくなったわね!



ほらほら三人で寄って寄って!はい。チーズ







リナちゃーん!









「レイナさん…。」



レイナさんの顔も声もぜんぶぜんぶ思い出せる。鮮明に。


でも記憶でしかないその笑顔。


どうしてなんだろう…。


なんでなんで…。



「リナ。大丈夫か。」


タクは涙ひとつみせずにお茶を私にくれた。



今日はレイナさんのお葬式。

タクも私もユウも真っ黒な服を着てる。


レイナさんはオレンジ色が好きだった。だから三人ともオレンジの花をレイナさんに渡した。



いつものレイナさんなら

「まぁ!ありがとう!きれいねぇ。」

って笑って言ってくれるのに、今日は何も返事してくれなかった。



「ねぇ。タク。ユウ。レイナさんに私まだお礼言ってないんだ。いっぱい優しくしてもらったことも、いっぱい迷惑かけたことも。ぜんぶ…。二人だってそうでしょ!!」


タクもユウもだんだん顔がゆがんで、目から涙があふれ出した。



でもタクは涙をながしながらも必死に笑顔をつくって


「リナ…。それを言うな。申し訳なくなる」


そう言った。

なんで笑顔なの。と言いたくなった。無理して笑うなと…。


でも…。


タクの笑顔があまりにも優しくて悲しそうで…。



なにも言えなかった。
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