コンプレックスな関係
「あー…」
なんか、脱力感でいっぱいになった。
「最初に言ったでしょう…好きだって。好きじゃなかったらあんなの耐えられるわけないじゃないの…」
気勢を削がれてがっくり首を落とす私と、貴弥の後ろで、お兄ちゃんサイテーと、小さく呟く美和ちゃん。
何も伝わってなかったってことよね。
自業自得。自己嫌悪が満載。
「だってお前、俺と話してても飄々としてて、いっつも不機嫌な感じだったし?他の女と遊んでても何も言わなかったじゃん」
「あ…当たり前でしょ!好きな男が他の女と“ナニ”したなんて話、楽しく聞けるわけないでしょ⁈」
「お兄ちゃん……ほんっとサイテーね…」
浮気を堂々と彼女に聞かせていた兄を白い目で見る美和ちゃん。
「美和!誤解すんなって」
「何が?好きとかどうとかはともかく、彼女が居るのに浮気する時点で最低なのに、それわ、彼女に聞かせてるとか、本当にろくでなしよ、お兄ちゃん」
なんか、美和ちゃんが怖い。…いや、黒い。