コンプレックスな関係
「ちゃんと反省して、自分の気持ちと莉生さんと向き合うまで、必要性がない限り、お兄ちゃんとは口聞かないから」
とどめ。
「ちょ…!美和!それなに⁈俺に死ねってこと⁉」
貴弥が青ざめる。
そっちのが大事なんかい。
いや、わかってましたけどもっっ‼
「美和ちゃん。それはやめてあげて…周りが迷惑するから…」
美和ちゃん命!な貴弥は美和ちゃんと何かあると、鬱陶しいくらい落ち込んで不機嫌になる。
その度に、こちらの都合も関係なく愚痴を聞かされ、相談を受けていたのは私だ。
いやいやいや。
なんか話がずいぶん逸れた気がする。
言ってやろうと思ってたことも、すっ飛んだ。
何してんだろう、私…。
「莉生さん、行こう?」
美和ちゃんに促されて、私は。
「貴弥。ごめん。…それでも、私、ちゃんと貴弥が好きだったよ。バイバイ」
これだけは言わないと、終われない。
立ち尽くす貴弥は何も言わなかった。
これで終わろう。