コンプレックスな関係
『明日の夜なら大丈夫だよ。授業が5コマまであるから、19時頃でいい?待ち合わせは何処にしよう?』
送信、と。
最寄り駅までまだ少しあるなぁ、と目を閉じると、暫くして携帯が震えた。
『心配だから大学まで迎え行っていい?』
ちょっとびっくりした。でも、なんか女の子扱いされてる気がして、少し嬉しい。
『ありがと。そしたらウチの大学の正門前でどうかな?』
送信ボタンを押そうとしたら、車内アナウンスが最寄り駅に着いたことを知らせてくれて、送信ボタンを押しながら電車を降りた。
改札を抜ける頃には陽典君から返信があって、その日の帰り道は自分でも意外に思う程、浮かれた気分の私がいた。
『了解!一応、着いたらメール入れるよ。おやすみ!』
陽典君と恋がしたい、と思った。