コンプレックスな関係

部屋に入って、鞄をそこらに適当に置くと、私はベットにダイブした。


なんだろ…酷く疲れた気がする。


ふと携帯を手にすれば、メール着信を伝えるアイコンが出ていた。


誰だろう?こんな時間だし、迷惑メールか何かかな?


癖というのは怖いもので、何気なくメールフォルダ画面をタップした私は、自分の愚かしさを呪った。


しまった。


アドレス消すの忘れてた…。


メールの差出人は、まさかの貴弥だった。


見てしまったものは仕方ないと諦めて、メールを最後まで読んで、私は頭を抱えたくなった。


私、今年厄年なのかしら…。


『頼む!2外ロシア語の高木教授のレポート手伝ってくれ!単位落としたら留年する!』


貴弥。


本当に、一度女の子に刺されたらいいと思うよ?


メールをちゃんとみれば、CCで、幾つかの見覚えのあるアドレスや名前が入力されていて、これが数人にむけて一斉に送られたメールだとわかった。


それなら、わざわざ私が面倒を見る必要もない。


私はメールを削除して、見なかったことにした。


心に引っ掛かった良く知る感情も、一緒に削除した。




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