コンプレックスな関係
「そんなの断れよ」
貴弥から発せられた言葉に、私はぴきっと固まった。
え?えっ?えぇっ!!!
ナニソレ?
こいつ、何言ってんの?
意味がわかりません。
はい。
だって、別れたのよ?
貴弥が私の行動に口を挟む意味が何処にあるの?
私の行動に貴弥が口を出すなんて、そんな権利はないはずで。
「貴弥が口を挟むことじゃないでしょ?私達はもう別れたんだし、私は私のしたいようにするわ」
可愛げのない女の子って、多分、今の私みたいなのを言うのだと思う。
正直、全部キレイさっぱり吹っ切れたかといえば、吹っ切れてはいない。
だけどあの日。
私は言いたかった事を全部吐き出して、そして吹っ切ることに決めた。
新しい恋に目を向けようと。
陽典君との新しい恋に前向きになろうって。
やっと、やっとそう思えるようになっていたのに。