コンプレックスな関係


可愛いなぁ…。


ちょっとはにかんだような笑顔が可愛い。


「初めまして。篠井莉生です」


他に何を言えばいいのかわからなくて、ひどく素っ気ない挨拶になってしまった。


「莉生。もう少し愛想良くできないわけ?」


貴弥は不機嫌丸出し。


だって、ねぇ?


今の私と貴弥が彼氏彼女の関係かっていったら、実質は違う気がするし…。


悶々としてしまう。


「気にするなよ、美和。こいつ元々愛想のある方じゃねぇし、いつもこんな感じだから」


おぉ!貴弥、ナイスフォロー!


心の中で貴弥に拍手を送っていると、美和ちゃんがぺこりと頭を下げた。


「あの…この前は素敵なプレゼントを選んでいただいて、ありがとうございました」

< 26 / 127 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop