コンプレックスな関係
第3.5話
予想通り。
美和ちゃんは私の誘いを断らなかった。
貴弥も付いて来ない。
貴弥はすっごい悔しそうだったけどね。
ちょっと可哀想だったけど。
自業自得ってことで。
「あの……私に話があるってことですよね…」
あれから本当に買い物に付き合ってもらって、今は3時のお茶タイム。
「あぁ。別にそんな怯えなくていいよ?とって食おうって訳じゃないから」
ケーキをひと口食べて、紅茶を飲む。
「ま、話があるのは事実だけどね」
そう言うと、美和ちゃんの表情が曇る。
本当に素直だなぁ。
この素直さを半分でいいから分けて欲しい。
「私もさ、兄貴いるの。それも貴弥並にシスコン」
「えっ…」
美和ちゃんが顔を上げる。
「ウチ兄貴ってさ。私と兄妹とは思えないくらいかっこいいの。その上女癖も悪くて、彼女取っ替え引っ換え…お蔭様で、私は彼女さん方に嫌がらせされまくるし、自分の恋愛は兄貴に邪魔されまくるし」
あー。
ほんっっっと!腹立つ。
そう言うと、2人になって初めて美和ちゃんが笑った。
「篠井さんって、もっとクールな人かと思いました」
「クール…とは良く言われるけどね」