コンプレックスな関係
自分でも呆れるくらい、私は貴弥が好きなんだなぁ…。
本音の本音では、美和ちゃんに嫉妬する気持ちがないとは言えない。
だけど、それを容認することで貴弥の隣に居られるなら、美和ちゃんに嫉妬なんてしない。
美和ちゃんにはしないけど。
他の女には嫉妬する。
「あ!貴弥だぁ〜!ねぇねぇ。今夜ヒマぁ?」
仲良くランチ中の私と貴弥の間にズカズカと入る女の子。
茶色の長い髪を綺麗に巻いて、露出度の高い、女の子らしい服装。
ショートカットで、Tシャツにジーンズ、白いジャケットの私とは大違い。
「今夜?空いてるけど」
「じゃあさ、私と遊んでよ」
「いーけど、俺、今日5コマまで授業入ってるよ?」
「全然おっけー!授業終わったらメールして?」
「あぁ。わかった」
彼女の目の前で他の女とデートの約束ですか。
いや。
今に始まったことじゃないけど!
ずきん、とする胸の痛みにはもう慣れた。
慣れたくなんてないけど、慣れるしかなかった。
ここで嫉妬心を出したら、貴弥にウザいって言われるのは目に見えてる。