コンプレックスな関係
第5話
結局、遥に逆らえなくて。
私は今、初めての合コンに参加している……。
4対4の合コン。
女の子は遥と私の他、遥の大学の友達だという子が2人。
もちろん私は初対面。
なんとなく居心地の悪さを感じながらも、遥の手前、つまらない表情をするわけにもいかず…。
はぁぁぁぁ…。
恨むからね、遥。
男の子側は全員医学部の子だという。
医学部って忙しいイメージだったけど、意外とヒマなのか?
1人遅れてるらしくて、男の子は今3人。
私は1人端っこで、会話に加わることもなく、合コンの様子を眺めていた。
遥はそれなりに楽しんでいるみたいで、明るい笑い声を上げている。
……帰りたい。
はぁ、と隠れて溜息を漏らした時だった。
「莉ー生ーちゃん!飲んでる?」
それまで隣にいた女の子と話していた男の子が、突然声を掛けてきた。
「飲んでますよ?」
「さっきから全然会話に入って来ないじゃん?」
「あー…私、頭数合わせだし。こういうの苦手なので」
正直に答えると、男の子は困ったように笑った。
「正直すぎるでしょ。せっかくなんだし、友達を作る感覚で楽しんでみたら?遅れてる奴もあと少ししたら来るし」
…ふーん。
別に誰が来ようと関係ない。
私には貴弥がいるもん。
貴弥しか好きじゃない。
他の男の子なんてどうでもいい。