コンプレックスな関係
第12話
美和ちゃんから、連絡を受けた店に行くと、店の前にはパトカーが一台止まっていた。
…警察沙汰なんて、何がやらかしたの?
野次馬を掻い潜って、その先頭に辿り着けば。
「莉生さん!」
店の入口前にいた美和ちゃんが、大きな瞳に涙を浮かべたまま駆け寄ってきて、私はその身体を抱き留めるようにして美和ちゃんを宥めた。
「何が起きた?」
ぽんぽん、と私に抱き付いたままの美和ちゃんの背を叩くと、美和ちゃんは涙声で教えてくれた。
「お兄ちゃんが、喧嘩して……それで……っ!私のせいなんですっ…‼」
あ、あーーー。
なんとなくわかった気がした。
シスコンって、やっぱ基本的な行動は同じなんですね、ハイ。
「んで、その問題起こした馬鹿は?」
「今、中で事情聴取?ってゆーのを…」
あー。まぁ。
ここまで大騒ぎになったら、とりあえず警察署行き確定だよね…。
よしよし、と美和ちゃんを宥めていると、警察官に連れられて貴弥が出てきた。
「お兄ちゃん!」