オートフォーカス
「えっそうなの?じゃあ一緒に行かない?」

「うん、行こう。」

篤希も片付けを手伝い同じ教室に向けて2人は歩き出した。

教室までは少し距離がある、そしてまだ時間もある。

小腹が空いたのか加奈はポケットから飴を取り出して篤希にも渡した。

「食べる?」

パッケージを見せて何かを知らせると篤希は頷いた。

青と黄色のさわやかな印象を思わせるレモンサイダーの飴だ。

「ありがとう。」

篤希の言葉に微笑むと、加奈は手にしていた飴を眺めて呟いた。

「こういう飴1つにもさ、心理学って関わってるんだよね。どうやったら酸っぱさと美味しさを表すか、印象に残らせるか。」

「色にしても字体にしてもね。」

独り言で終わるかと思った話に篤希が乗ってきた、そのことに加奈は嬉しくなって笑顔になる。

「建物にしても丸みをもたせるか、窓の位置でも人の気持ちを動かすことが出来る。プレゼン資料でもそうだよね。」

「ターゲットを絞った見せ方ってやつだね。」

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