オートフォーカス
2.あの時の言葉
“あの約束、まだ覚えてる?”
そう絢子から連絡がきたのはアルバイト合宿が終わって少し経ってからのことだった。
その頃は合宿の為に本来のバイトを休んでいたのでシワ寄せが来ていた時分。
それはどうやら篤希の方だけだったようだが、お互いに予定がうまく合わずにずるずると時間が過ぎてしまったのだ。
そしてようやく時間を気にせずに予定を入れることができた今日、篤希は待ち合わせ場所の駅で腕時計を見た。
10時少し前。
うまく電車が繋がってちょうどいい時間に着けたようだ。
絢子はまだ来ていない、そう思いながらあたりを見回していると後ろから声がかかった。
「篤希くん!」
篤希が振り返ると改札を出たばかりの絢子が小走りに目指してくる。
絢子が走っているところを見るのは久しぶりだと、少し感動しながら篤希は体を彼女の方に向けた。
そういえば学祭の時も走ってきてくれたような気がする。
「ごめんなさい、遅れてしまって。」
胸のあたりで手を握りしめながら息を弾ませて絢子が見上げた。
そう絢子から連絡がきたのはアルバイト合宿が終わって少し経ってからのことだった。
その頃は合宿の為に本来のバイトを休んでいたのでシワ寄せが来ていた時分。
それはどうやら篤希の方だけだったようだが、お互いに予定がうまく合わずにずるずると時間が過ぎてしまったのだ。
そしてようやく時間を気にせずに予定を入れることができた今日、篤希は待ち合わせ場所の駅で腕時計を見た。
10時少し前。
うまく電車が繋がってちょうどいい時間に着けたようだ。
絢子はまだ来ていない、そう思いながらあたりを見回していると後ろから声がかかった。
「篤希くん!」
篤希が振り返ると改札を出たばかりの絢子が小走りに目指してくる。
絢子が走っているところを見るのは久しぶりだと、少し感動しながら篤希は体を彼女の方に向けた。
そういえば学祭の時も走ってきてくれたような気がする。
「ごめんなさい、遅れてしまって。」
胸のあたりで手を握りしめながら息を弾ませて絢子が見上げた。