オートフォーカス
「今は仕方なく大学でしているけど…本当は家でレポートとかしたいの。音楽を聞きながらゆっくりと。」

そう言った絢子の言葉に篤希は反応して口を小さく開いた。

なにか思いついたのだと絢子にも伝わる。

「だったらアップルはどう？外のデザインもだけど、見えない内部でさえもデザインに力をいれてるから。」

でも今まで違うものをを使っていたなら最初は使いにくいと感じるかも、篤希はそう続けた。

「それに絢子の、確かipodでしょ？だったら尚更いいんじゃないかな。」

すらすらと書いてある文章を読み上げるように続く言葉に絢子は少し圧倒されてしまった。

「すごい…篤希くんて詳しいんだね。」

「いや…今のは誰でも知ってることだから。」

「ごめん、私知らなくて…。」

萎縮したように体を引っ込めてしまう、どうやら少し気にしてしまったようだ。

篤希はそんな彼女の変化に気付きながらも知らぬふりで言葉を続けることにした。

「いやいや、それより選ばないと。絢子好みのパソコン。」

「ふふ。私好み、そうだね。あ、こういうの好きだな。」

篤希の言い回しが気に入ったようで絢子は一気に笑顔を取り戻した。

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