オートフォーカス
少し安堵しながらも、やはり気付かないフリをして絢子の指したものを見る。

「ああ、絢子らしいね。」

彼女が選びそうなものだと分かり、篤希も自然と微笑んでいた。

しかし絢子は篤希の言葉に不思議そうに首を傾げている。

「私らしい?」

自分が指したパソコンを見て、自分の服装を見て比べて見ても似たようなところはない。

見比べる絢子の姿に篤希は思わず笑ってしまった。

「うん。優しいピンクなあたりとか、このキラキラした感じ?そんなに丸い形じゃなく、どこかシャープな見た目を選ぶ辺りかな。そんなの好きそうだなって思って。」

篤希の言葉に瞬きを重ね、絢子は驚きを隠せないといった様子で口に手を当てた。

「…すごい、当たってる。」

「逆に仁美は丸い形を選びそうだけど。」

「うん、そうそう!」

まさにその通りだと絢子は手を叩いて笑い、そのまま2人で盛り上がりながらパソコンを購入した。

いくら時間を気にしないようにしたとはいえ、あまり時間がかかってしまうと申し訳ないと感じていた絢子は思ったより時間がかからなかったことに安堵したようだ。

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