オートフォーカス
あの冬のアルバイト合宿では疲れ果ててだらだらしながらもどこか機敏に動く裕二に感心したものだが。
その印象が強いからか篤希も雅之も不思議で仕方がなかった。
これにはさすがに2人も調子を崩してしまう。
「…なんだ?らしくねえな。」
「なんか悩み事でもあるの?」
「…うーん。」
唸るだけで黙ってしまった裕二に篤希と雅之は顔を合わせて首を傾げる。
体調が悪いのか、それとも深い悩みがあるのか、分からないがとにかく裕二には話す気がないということだけは伝わってきた。
ゆっくりながらも確実に帰り支度を進める裕二は時計を見て軽いため息を吐く。
「バイト行ってくるわ。じゃ、また明日。」
いつもの黒とピンクのリュックを背負って裕二はふらふらしながらバイトに向かった。
教室を出て行く裕二の背中を呆然と見送り篤希と雅之も片付けを始める。
教室があった棟を出るといきなり突風に襲われた。
その風に乗って遅咲きの桜の花びらが舞い、構内が一気に別世界のようになる。
その印象が強いからか篤希も雅之も不思議で仕方がなかった。
これにはさすがに2人も調子を崩してしまう。
「…なんだ?らしくねえな。」
「なんか悩み事でもあるの?」
「…うーん。」
唸るだけで黙ってしまった裕二に篤希と雅之は顔を合わせて首を傾げる。
体調が悪いのか、それとも深い悩みがあるのか、分からないがとにかく裕二には話す気がないということだけは伝わってきた。
ゆっくりながらも確実に帰り支度を進める裕二は時計を見て軽いため息を吐く。
「バイト行ってくるわ。じゃ、また明日。」
いつもの黒とピンクのリュックを背負って裕二はふらふらしながらバイトに向かった。
教室を出て行く裕二の背中を呆然と見送り篤希と雅之も片付けを始める。
教室があった棟を出るといきなり突風に襲われた。
その風に乗って遅咲きの桜の花びらが舞い、構内が一気に別世界のようになる。