オートフォーカス
時計を見るともう次の講義が始まる時間だった。

「やば…行かないと。」

篤希が立ち上がると加奈は見送るために手を振る。

「あ。気を付けて持ってきてね!」

何を?既に走り出しそうな篤希は表情で問いかけた。

「カメラ、買ったばかりなんでしょ?」

上目遣いで笑う加奈に篤希は吹きだした。

「そうだね。気を付けるよ。」

意外なところを心配されて篤希は笑ってしまう。

顔の緩みは次の教室に走っている間そのままだった。



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