オートフォーカス
2回目の学祭だ。
去年の学祭は、授業の一環で行われた実技の結果で不運にもカメラマンという記録係に任命されてしまった。
しかしそれは今にして思えば転機だったのかもしれない。
あの写真がなければカメラを欲しいとも思わなかったしそれが趣味になることもなかった。
なにより、加奈に出会えていたか分からない。
今年もあの講義の続きを履修した。
またイタズラを仕掛ける子供の様に嬉しそうな顔をして教授が実技をさせたが楽しかったのだ。
もし機会があるのならと教授に記録係の申し出をしてみると、驚きながらも快諾され2年目の学祭でも篤希は記録係の腕章をつけてカメラを構えることになった。
去年とは違いシャッターを切る目はイキイキとしている。
まさか1年後には自らこの役目を買って出るなど去年の自分には考えもしなかっただろう。
不思議なものだ。
「今年も記録係?なんの貧乏くじを引いたんだよ篤希。」
学祭の出店話の途中で裕二が憐みの眼差しを篤希に向けた。
仁美と絢子も心配そうな目をしている。
去年の学祭は、授業の一環で行われた実技の結果で不運にもカメラマンという記録係に任命されてしまった。
しかしそれは今にして思えば転機だったのかもしれない。
あの写真がなければカメラを欲しいとも思わなかったしそれが趣味になることもなかった。
なにより、加奈に出会えていたか分からない。
今年もあの講義の続きを履修した。
またイタズラを仕掛ける子供の様に嬉しそうな顔をして教授が実技をさせたが楽しかったのだ。
もし機会があるのならと教授に記録係の申し出をしてみると、驚きながらも快諾され2年目の学祭でも篤希は記録係の腕章をつけてカメラを構えることになった。
去年とは違いシャッターを切る目はイキイキとしている。
まさか1年後には自らこの役目を買って出るなど去年の自分には考えもしなかっただろう。
不思議なものだ。
「今年も記録係?なんの貧乏くじを引いたんだよ篤希。」
学祭の出店話の途中で裕二が憐みの眼差しを篤希に向けた。
仁美と絢子も心配そうな目をしている。