オートフォーカス
人の波をうまくすり抜けて目的の場所まで足を進めていくと見慣れた姿を見付けた。
「あっ来た来た!篤希ー!こっちこっち!」
フロアに着いた瞬間、歓迎するような声が篤希を迎え入れる。
たこ焼きと大きく書かれた看板の下で両手を振り回しながら裕二が篤希を手招きしていた。
「早く早く!」
期待に満ちた目で篤希が辿り着くまで騒ぎ続ける、そんな彼に篤希もさすがに苦笑いしてしまった。
まるで子供に招かれているようだ。
「うるせえな。騒ぎすぎだ、裕二。」
屋台の中でたこ焼きを回している青年が毒を吐く。
タオルを頭に巻いた彼は裕二の方を見ずに舌打ち混じりで黙々と作業を続けていた。
明らかに暑さから苛々している。
「雅之の言う通りね。まるでお子様。」
「なっ…!さっきは一緒に叫んだじゃねーか、仁美!?」
接客の手を休めずに雅之の言葉に乗った仁美は、間髪入れず裕二からつっこみをいれられた。
確かに上から篤希を呼んだのは裕二と仁美の2人だった気がする。
ハチマキに法被着用、追い打ちをかけるようにうちわを手にした、見た目からして祭りモードな裕二が訴えても真剣身が欠けて見える。
そのせいか、仁美はちらりと視線を向けただけで接客の手を休めなかった。
「あっ来た来た!篤希ー!こっちこっち!」
フロアに着いた瞬間、歓迎するような声が篤希を迎え入れる。
たこ焼きと大きく書かれた看板の下で両手を振り回しながら裕二が篤希を手招きしていた。
「早く早く!」
期待に満ちた目で篤希が辿り着くまで騒ぎ続ける、そんな彼に篤希もさすがに苦笑いしてしまった。
まるで子供に招かれているようだ。
「うるせえな。騒ぎすぎだ、裕二。」
屋台の中でたこ焼きを回している青年が毒を吐く。
タオルを頭に巻いた彼は裕二の方を見ずに舌打ち混じりで黙々と作業を続けていた。
明らかに暑さから苛々している。
「雅之の言う通りね。まるでお子様。」
「なっ…!さっきは一緒に叫んだじゃねーか、仁美!?」
接客の手を休めずに雅之の言葉に乗った仁美は、間髪入れず裕二からつっこみをいれられた。
確かに上から篤希を呼んだのは裕二と仁美の2人だった気がする。
ハチマキに法被着用、追い打ちをかけるようにうちわを手にした、見た目からして祭りモードな裕二が訴えても真剣身が欠けて見える。
そのせいか、仁美はちらりと視線を向けただけで接客の手を休めなかった。