オートフォーカス
「お世話になりました。か。」
机の上に書き残されたメモ用紙がそれを決定づける。
薄暗いまま帰り支度したためか、近くに加奈の本が1冊残っていた。
起きたことを知らせる為と忘れ物を教えるために加奈にメールを送った。
資料集だろうか、すぐにでも必要がある訳ではなさそうなので少し安心して本をパラパラとめくる。
そして中に挟まれてあった封筒に行き当たりページが止まった。
「え?」
それは建築専門学校の封筒、住所は神戸となっている。
宛先は勿論、加奈だった。
言い様のない不安が篤希を襲い、おそるおそる封筒に手を伸ばした時篤希の携帯が音を鳴らした。
加奈からの返信だ。
今度会った時に渡してほしいという内容が少しも響いてこない。
篤希は本を閉じて通学用のカバンの中に入れた。
それでも脳裏に深く刻まれた記憶が消えることはない。
加奈からのメールに封筒の話をすることが出来なかった。
机の上に書き残されたメモ用紙がそれを決定づける。
薄暗いまま帰り支度したためか、近くに加奈の本が1冊残っていた。
起きたことを知らせる為と忘れ物を教えるために加奈にメールを送った。
資料集だろうか、すぐにでも必要がある訳ではなさそうなので少し安心して本をパラパラとめくる。
そして中に挟まれてあった封筒に行き当たりページが止まった。
「え?」
それは建築専門学校の封筒、住所は神戸となっている。
宛先は勿論、加奈だった。
言い様のない不安が篤希を襲い、おそるおそる封筒に手を伸ばした時篤希の携帯が音を鳴らした。
加奈からの返信だ。
今度会った時に渡してほしいという内容が少しも響いてこない。
篤希は本を閉じて通学用のカバンの中に入れた。
それでも脳裏に深く刻まれた記憶が消えることはない。
加奈からのメールに封筒の話をすることが出来なかった。