オートフォーカス
2.やらない後悔より
それから何故か加奈は大学に顔を見せなくなった。
風邪でもひいたのか、それともすれ違っているだけなのか。
色々考えたが、やはり大学に来ていないという結論に至ったのは、皆勤賞に近い加奈が講義に顔を出さなくなったからだった。
さすがに心配になって何回かメールをしたが携帯も繋がらない。
篤希は預かったままの本から封筒を取り出した。
言い様のない不安から封筒の中を見てしまったあの日、篤希は自分のした行動を何回も後悔するようになった。
中身は試験の日程、加奈が神戸の建築専門学校を受験していたことを知る。
日付を見る限りそれは少し前の話だった。
おそらくもう結果は出ているのだろう、ダメだったとしても彼女はきっと諦めずにまた受験する筈だ。
篤希が知っている彼女はそういう女性だと思う。
それから篤希はいつもの加奈を思い出していた。
建築の本を持ち歩き勉強熱心な彼女、夢をしっかりもって前を向いている加奈に篤希はなんとなく虚無感に陥った。
好きなものを語るその表情は目指しているものがあるからこその輝き。
風邪でもひいたのか、それともすれ違っているだけなのか。
色々考えたが、やはり大学に来ていないという結論に至ったのは、皆勤賞に近い加奈が講義に顔を出さなくなったからだった。
さすがに心配になって何回かメールをしたが携帯も繋がらない。
篤希は預かったままの本から封筒を取り出した。
言い様のない不安から封筒の中を見てしまったあの日、篤希は自分のした行動を何回も後悔するようになった。
中身は試験の日程、加奈が神戸の建築専門学校を受験していたことを知る。
日付を見る限りそれは少し前の話だった。
おそらくもう結果は出ているのだろう、ダメだったとしても彼女はきっと諦めずにまた受験する筈だ。
篤希が知っている彼女はそういう女性だと思う。
それから篤希はいつもの加奈を思い出していた。
建築の本を持ち歩き勉強熱心な彼女、夢をしっかりもって前を向いている加奈に篤希はなんとなく虚無感に陥った。
好きなものを語るその表情は目指しているものがあるからこその輝き。