オートフォーカス
「これから色々忙しくなる。大学へは…ほとんど行けなくなるかな。試験は受けないつもり。」
それはつまり、もう大学には行かないということだった。
授業はもう殆どない、メインは年明けにある試験だが加奈はそれを受けないと言ったのだ。
篤希は加奈とは今日が最後だと悟った。
「本当はそれを言うためにここに来たんだ。」
その為に篤希に会えるまで寒くても部屋の前で待っていたのだ。
こんな凍える夜にずっと1人で待っていた。
携帯に連絡はなかった筈だ、おそらく加奈は思い立ったように来たのだろう。
しかしそれは連絡する勇気がなかったからだと篤希には伝わっている。
篤希が加奈なら、おそらく同じようなことをしただろうと思ったからだった。
怖くても、逃げ出したくても、これが最後になるのならと勇気を振り絞って別れを言いに来てくれた。
それは友人なら物凄く嬉しいことだし、いい友人に恵まれたと誇らしくなるだろう。
だが篤希にとって加奈はもう友人ではない。
それはつまり、もう大学には行かないということだった。
授業はもう殆どない、メインは年明けにある試験だが加奈はそれを受けないと言ったのだ。
篤希は加奈とは今日が最後だと悟った。
「本当はそれを言うためにここに来たんだ。」
その為に篤希に会えるまで寒くても部屋の前で待っていたのだ。
こんな凍える夜にずっと1人で待っていた。
携帯に連絡はなかった筈だ、おそらく加奈は思い立ったように来たのだろう。
しかしそれは連絡する勇気がなかったからだと篤希には伝わっている。
篤希が加奈なら、おそらく同じようなことをしただろうと思ったからだった。
怖くても、逃げ出したくても、これが最後になるのならと勇気を振り絞って別れを言いに来てくれた。
それは友人なら物凄く嬉しいことだし、いい友人に恵まれたと誇らしくなるだろう。
だが篤希にとって加奈はもう友人ではない。