オートフォーカス
「やっぱり…あの時やっときゃ良かったって後悔してる?」

「…馬鹿。」

加奈の言葉に篤希は笑う。

涙目の加奈は寂しそうに笑い、篤希の胸を押して一歩下がった。

「じゃあね、篤希。」

2人の体が離れていく。

加奈は振り向くことなくそのまま駅の中へと消えていった。

篤希は会いに来てくれたことにお礼も言えないまま彼女の後ろ姿を見送ったのだ。




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