オートフォーカス
第7章 そして未来へ
1.ありがとう
篤希は将来を真剣に考えた結果、大学院に進んでMBAを目指すことを決めた。
MBA、それは経営学修士のこと。
昔見た、いつか会社経営に関わりたいという夢を叶えようとしているのだ。
長い長い足踏みだった気がする。
自営業をやっていた篤希の実家では自営業ならではの苦悩がたくさんあった。
それは当たり前の景色だと思っていたのだが、成長し会社員の家庭との違いを知ったことによって篤希の気持ちを大きく変える。
明るい家庭だったが、子供が入り込めない難しい会話は多かった。
両親が抱えている苦悩、それを助けられたらと子供ながらに何度も考えたことはよく覚えている。
始まりはそんな些細な日常の感覚だった。
それがあの日を境に彼の人生の導のようになったのだ。
知らないということは弱さになる、そして知識は武器になる。
それは実家の経営を見て育ってきた自分の格言のようなものだった。
しかしまだ幼さが残っていた時期だからか、どこか他人事だった篤希はそこまで熱くなることはなく、何となくの思いで経営学部に入学して何となく生活していたのだ。
それが今、変わった。
MBA、それは経営学修士のこと。
昔見た、いつか会社経営に関わりたいという夢を叶えようとしているのだ。
長い長い足踏みだった気がする。
自営業をやっていた篤希の実家では自営業ならではの苦悩がたくさんあった。
それは当たり前の景色だと思っていたのだが、成長し会社員の家庭との違いを知ったことによって篤希の気持ちを大きく変える。
明るい家庭だったが、子供が入り込めない難しい会話は多かった。
両親が抱えている苦悩、それを助けられたらと子供ながらに何度も考えたことはよく覚えている。
始まりはそんな些細な日常の感覚だった。
それがあの日を境に彼の人生の導のようになったのだ。
知らないということは弱さになる、そして知識は武器になる。
それは実家の経営を見て育ってきた自分の格言のようなものだった。
しかしまだ幼さが残っていた時期だからか、どこか他人事だった篤希はそこまで熱くなることはなく、何となくの思いで経営学部に入学して何となく生活していたのだ。
それが今、変わった。