オートフォーカス
あの時の絢子の勇気を借りて一歩踏み出していたら何か変わったのだろうか。
そんなどうしようもないことを考える暇がなかったのは幸いなのかもしれない。
ただ今は前へ前へと、いつかの自分の為にがむしゃらになっている時期なのだ。
「でも最初は絢子のこと好きだったんでしょ?傍で見ていてそんな気がしてた。」
「うん、そうだね。」
1年の頃、確かに篤希は絢子に好意を持っていた。
でも諦めていた感情は憧れだったのか恋だったのか今となってはよく分からない。
加奈と出会ってからはおそらく加奈しか見えてなかったのではないかとも思ったのだ。
結局はいつも加奈を出して比べていたような気がするから。
「残念…なんて周りが言うものじゃないわよね。その好きな人には告白したの?」
「ううん。してない。」
「何それ!もう男って皆ヘタレ!」
もっともな意見に篤希は笑った。
きっと裕二も仁美に面と向かって同じようなことを言われたに違いない。
はっきり物を言う仁美は相変わらず気持ちのいい人物だと思った。
そんなどうしようもないことを考える暇がなかったのは幸いなのかもしれない。
ただ今は前へ前へと、いつかの自分の為にがむしゃらになっている時期なのだ。
「でも最初は絢子のこと好きだったんでしょ?傍で見ていてそんな気がしてた。」
「うん、そうだね。」
1年の頃、確かに篤希は絢子に好意を持っていた。
でも諦めていた感情は憧れだったのか恋だったのか今となってはよく分からない。
加奈と出会ってからはおそらく加奈しか見えてなかったのではないかとも思ったのだ。
結局はいつも加奈を出して比べていたような気がするから。
「残念…なんて周りが言うものじゃないわよね。その好きな人には告白したの?」
「ううん。してない。」
「何それ!もう男って皆ヘタレ!」
もっともな意見に篤希は笑った。
きっと裕二も仁美に面と向かって同じようなことを言われたに違いない。
はっきり物を言う仁美は相変わらず気持ちのいい人物だと思った。