オートフォーカス
ここ最近は加奈に送る写真も撮れていない、さて古い写真の中から何か探そうかと篤希は考える。
カメラを封印してもうどれくらい経つだろうか、とにかく追い込みの時期だと篤希は勉強に打ち込むために箱に入れてクローゼットの奥にしまい込んだのだ。
カメラ片手に遠出して撮影に没頭したくなる時もある。
しかしその時間を今は勉強や研究につぎ込まないといけないのだ。
ここは正念場だと自分を奮い立たせるが、消えることのない疲労感に限界が見えてきた。
彼女の世界は充実している。
加奈なりの苦悩もあるだろうが、今までの手紙には少しも後ろ向きな事や弱音は書かれていなかった。
覚悟を決めて行ったのだ、全て自分の中で消化してそれを乗り越えているのだろう。
そんな加奈の強さを感じながら篤希はぬるくなってきたコーヒーを飲んだ。
自分も戦い続けなければ。
「篤希。」
名前を呼ばれて顔を上げた。
そこには毎日見ている人物が缶コーヒー片手に立っている。
「雅之、お疲れ。」
「そっちも休憩か?」
問いに頷くと篤希は向かいの席に座るように雅之を誘った。
カメラを封印してもうどれくらい経つだろうか、とにかく追い込みの時期だと篤希は勉強に打ち込むために箱に入れてクローゼットの奥にしまい込んだのだ。
カメラ片手に遠出して撮影に没頭したくなる時もある。
しかしその時間を今は勉強や研究につぎ込まないといけないのだ。
ここは正念場だと自分を奮い立たせるが、消えることのない疲労感に限界が見えてきた。
彼女の世界は充実している。
加奈なりの苦悩もあるだろうが、今までの手紙には少しも後ろ向きな事や弱音は書かれていなかった。
覚悟を決めて行ったのだ、全て自分の中で消化してそれを乗り越えているのだろう。
そんな加奈の強さを感じながら篤希はぬるくなってきたコーヒーを飲んだ。
自分も戦い続けなければ。
「篤希。」
名前を呼ばれて顔を上げた。
そこには毎日見ている人物が缶コーヒー片手に立っている。
「雅之、お疲れ。」
「そっちも休憩か?」
問いに頷くと篤希は向かいの席に座るように雅之を誘った。