オートフォーカス
イルミネーションという、いつもとは違う特別な装いをした街に篤希は思うままにシャッターを切り続けた。
久しぶりに味わうこの感覚に興奮してきたらしい。
撮れば撮るほど楽しくなってきたようだ。
忙殺されそうな毎日から卒業するまでと封印していたカメラ、自分で決めたこととはいえ思ったよりも辛かったらしい。
次々にきられるシャッター。
しかし夢中になる篤希を止めるように、聞き慣れた着信音がバイブと共に鳴り響いた。
それに気付くのも少し時間がかかったかもしれない。
鳴り止む気配のない携帯についに篤希は反応し、カメラを手にしたまま、視線も変えないままでポケットから取り出して通話ボタンを押した。
「はい、笠坂です。」
「おせーよ。」
その声を聞いて篤希の興奮は落ち着いた。
「…ああ、どうしたの。」
誰からの着信かも見ずにとった篤希は、声と口調を聞いて初めて相手を認識した。
なんだ、名字を名乗る必要はなかった。親しい仲の友人だ。
「今から焼き肉行くぞ、迎えに行くから用意しとけよ。」
「え?あー…ごめん、無理。」
久しぶりに味わうこの感覚に興奮してきたらしい。
撮れば撮るほど楽しくなってきたようだ。
忙殺されそうな毎日から卒業するまでと封印していたカメラ、自分で決めたこととはいえ思ったよりも辛かったらしい。
次々にきられるシャッター。
しかし夢中になる篤希を止めるように、聞き慣れた着信音がバイブと共に鳴り響いた。
それに気付くのも少し時間がかかったかもしれない。
鳴り止む気配のない携帯についに篤希は反応し、カメラを手にしたまま、視線も変えないままでポケットから取り出して通話ボタンを押した。
「はい、笠坂です。」
「おせーよ。」
その声を聞いて篤希の興奮は落ち着いた。
「…ああ、どうしたの。」
誰からの着信かも見ずにとった篤希は、声と口調を聞いて初めて相手を認識した。
なんだ、名字を名乗る必要はなかった。親しい仲の友人だ。
「今から焼き肉行くぞ、迎えに行くから用意しとけよ。」
「え?あー…ごめん、無理。」