オートフォーカス
「なんだ!君の写真だったの!」
不審者に思われていたせいか、篤希の正体が分かった瞬間に彼女は安堵も交えた可愛らしい笑顔を見せた。
首から上しか向けていなかったものを、体ごと篤希の方に向けて改めて微笑む。
弾けるような笑顔とはこのことだ、少し茶色がかった黒い髪が揺れた。
「私、文学部1年の宮間加奈。凄く素敵な写真だなって見いってたんだ。」
加奈はそう言って握手を求めるように右手を差し出した。
予想外の行動に躊躇いながらも彼女の手をとって握手を交わす。
なんてキラキラした目をした子なんだろう。
「それはどうも…ありがとう。経営学部の笠坂篤希です。」
何人かの友人からも褒められたりはしたが、全く知らない人からの言葉だと真実味が増して照れ臭くなる。
篤希の作品は学校を舞台にした風景写真だった。
この日は天気が良かったこともあり、空の色が鮮やかに映し出されている。
“大学をテーマに撮影をする”
篤希にとってその課題に取り組んだだけの写真だった。
なんとなくの感覚で撮った、ただそれだけのことが以外にも高く評価されたのだ。
不審者に思われていたせいか、篤希の正体が分かった瞬間に彼女は安堵も交えた可愛らしい笑顔を見せた。
首から上しか向けていなかったものを、体ごと篤希の方に向けて改めて微笑む。
弾けるような笑顔とはこのことだ、少し茶色がかった黒い髪が揺れた。
「私、文学部1年の宮間加奈。凄く素敵な写真だなって見いってたんだ。」
加奈はそう言って握手を求めるように右手を差し出した。
予想外の行動に躊躇いながらも彼女の手をとって握手を交わす。
なんてキラキラした目をした子なんだろう。
「それはどうも…ありがとう。経営学部の笠坂篤希です。」
何人かの友人からも褒められたりはしたが、全く知らない人からの言葉だと真実味が増して照れ臭くなる。
篤希の作品は学校を舞台にした風景写真だった。
この日は天気が良かったこともあり、空の色が鮮やかに映し出されている。
“大学をテーマに撮影をする”
篤希にとってその課題に取り組んだだけの写真だった。
なんとなくの感覚で撮った、ただそれだけのことが以外にも高く評価されたのだ。