オートフォーカス
「ねえ。写真、撮ってもいい?」
加奈の指は篤希の作品に向けられている。
「写真って…これを?」
「そう。」
信じられなくて念の為確認したが、あっさりと加奈は頷いた。
篤希の作品を携帯で撮りたいらしい。
「気に入ったんだ~。」
歌うように呟くと、篤希の返事を待たずにシャッターをきった。
嘘だろ?
容赦なく響いたシャッター音に心の中でそう呟く。
篤希はただ立ち尽くしたまま加奈の行動を見ていた。
加奈も篤希のことは忘れてしまったように自分の世界に入り込んでいる。
携帯の画面に映る画像の出来に満足しているようだった。
篤希はただ信じられなくて、視線が加奈と展示の写真の間を何回もさまよわせる。
そして同じく忘れ去られていた篤希の口の中の飴が噛まれた音で二人は自分の世界から抜け出した。
思いがけず鳴った大きな音に加奈の視線が篤希に戻る。
「あ、ごめん。」
「ううん。ね、記録係って何?」
腕章をちらりと見た加奈が首を傾げた。
加奈の指は篤希の作品に向けられている。
「写真って…これを?」
「そう。」
信じられなくて念の為確認したが、あっさりと加奈は頷いた。
篤希の作品を携帯で撮りたいらしい。
「気に入ったんだ~。」
歌うように呟くと、篤希の返事を待たずにシャッターをきった。
嘘だろ?
容赦なく響いたシャッター音に心の中でそう呟く。
篤希はただ立ち尽くしたまま加奈の行動を見ていた。
加奈も篤希のことは忘れてしまったように自分の世界に入り込んでいる。
携帯の画面に映る画像の出来に満足しているようだった。
篤希はただ信じられなくて、視線が加奈と展示の写真の間を何回もさまよわせる。
そして同じく忘れ去られていた篤希の口の中の飴が噛まれた音で二人は自分の世界から抜け出した。
思いがけず鳴った大きな音に加奈の視線が篤希に戻る。
「あ、ごめん。」
「ううん。ね、記録係って何?」
腕章をちらりと見た加奈が首を傾げた。