オートフォーカス
騒がしい篤希たちのテーブルから離れた食堂の入り口に見覚えのある姿を見かけて目が止まる。
「あ…。」
思わずこぼれた声は誰にも拾われないほど小さなものだった。
篤希の視線が捕らえたのは、あの学祭の時に出会った加奈。
トートバッグを肩にかけ直してまっすぐ前を向いたまま歩いていく。
友達の姿を見付けたのか、笑顔で手を振っていたが合流することなくそのまま通り過ぎてしまった。
篤希はふわふわとした印象もシャープな印象も思わせる加奈に不思議な魅力を感じている。
目に留まると追ってしまう、あれからずっとそんな日々を過ごしていたのだ。
向こうが先に気付く場合もあるし、目が合えば少しの会話はする仲になっていた。
しかし今日は加奈は気付かなかったらしい。
去っていく加奈の後ろ姿を見送りながら篤希は完全に思考を休めていた。
「あ…。」
思わずこぼれた声は誰にも拾われないほど小さなものだった。
篤希の視線が捕らえたのは、あの学祭の時に出会った加奈。
トートバッグを肩にかけ直してまっすぐ前を向いたまま歩いていく。
友達の姿を見付けたのか、笑顔で手を振っていたが合流することなくそのまま通り過ぎてしまった。
篤希はふわふわとした印象もシャープな印象も思わせる加奈に不思議な魅力を感じている。
目に留まると追ってしまう、あれからずっとそんな日々を過ごしていたのだ。
向こうが先に気付く場合もあるし、目が合えば少しの会話はする仲になっていた。
しかし今日は加奈は気付かなかったらしい。
去っていく加奈の後ろ姿を見送りながら篤希は完全に思考を休めていた。