オートフォーカス
第4章 彼女の魅力
1.好きだから
年が明けた。
休みも明けた。
正月気分が抜けきらない中、残り少ない今年度の講義を受けるため篤希たちは雪の中も大学に通っていた。
とはいえ、今日はまだ家を出るときには降っていなかったのだ。
駅について空を見上げながらポツリと呟く。
「降ってるな…。」
確かに天気予報では雪が降るかもとは言っていたが、実際降られると本当に降ってきたと思うのは何故だろう。
念の為、愛車の原付を止めて電車で来て正解だったようだ。
周りも同じような反応してため息混じりに傘を開いていく。
雪が降っているのを無条件で喜ぶのは高校までかと、なんとなく老け込んだ。
「あともうちょっと待ってくれたらなー。」
どこからか聞こえてきた声に頷いたのは篤希だけじゃない筈だ。
大学まであと少しの距離。
どうせならもう少しもって欲しかったがそう言ってもいられない。
観念して傘を広げ、篤希はまだ濡れ始めたばかりの道を歩き始めた。
休みも明けた。
正月気分が抜けきらない中、残り少ない今年度の講義を受けるため篤希たちは雪の中も大学に通っていた。
とはいえ、今日はまだ家を出るときには降っていなかったのだ。
駅について空を見上げながらポツリと呟く。
「降ってるな…。」
確かに天気予報では雪が降るかもとは言っていたが、実際降られると本当に降ってきたと思うのは何故だろう。
念の為、愛車の原付を止めて電車で来て正解だったようだ。
周りも同じような反応してため息混じりに傘を開いていく。
雪が降っているのを無条件で喜ぶのは高校までかと、なんとなく老け込んだ。
「あともうちょっと待ってくれたらなー。」
どこからか聞こえてきた声に頷いたのは篤希だけじゃない筈だ。
大学まであと少しの距離。
どうせならもう少しもって欲しかったがそう言ってもいられない。
観念して傘を広げ、篤希はまだ濡れ始めたばかりの道を歩き始めた。