オートフォーカス
着いた頃にはちょうど講義が終わる時間と重なったようで、ばらばらの団体が走りながら棟を移動しているのが見られた。
おー、とか、きゃー、とか。
信じられないという気持ちを込めた悲鳴がそこら中から聞こえてくる。
思ったより力強い雪は、このまま積もる気で確実に世界を白に染め始めた。
帰りの手段を気にしながら空を見上げても何も変わらない。
どうやら早めに切り上げた講義の集団だったようで、まだ次まで時間があることを知った篤希は目的地を切り替えた。
これ以上降られないように極力急いで食堂に向かう中、目の前で悲鳴をあげて転げた女性の姿を見付けてしまった。
「いったー…。」
上手に転けたようだが、それでも痛いだろう。
衝撃でそこら中に散らばった本を拾いあげて篤希は声をかけた。
「大丈夫?」
「あ、はい。すみません、大丈夫…あっ!」
声をかけられ顔を上げると、篤希の顔を見るなり女性は声をあげた。
予想通りの反応に思わず篤希は笑ってしまう。
おー、とか、きゃー、とか。
信じられないという気持ちを込めた悲鳴がそこら中から聞こえてくる。
思ったより力強い雪は、このまま積もる気で確実に世界を白に染め始めた。
帰りの手段を気にしながら空を見上げても何も変わらない。
どうやら早めに切り上げた講義の集団だったようで、まだ次まで時間があることを知った篤希は目的地を切り替えた。
これ以上降られないように極力急いで食堂に向かう中、目の前で悲鳴をあげて転げた女性の姿を見付けてしまった。
「いったー…。」
上手に転けたようだが、それでも痛いだろう。
衝撃でそこら中に散らばった本を拾いあげて篤希は声をかけた。
「大丈夫?」
「あ、はい。すみません、大丈夫…あっ!」
声をかけられ顔を上げると、篤希の顔を見るなり女性は声をあげた。
予想通りの反応に思わず篤希は笑ってしまう。