オートフォーカス
ただただ信じられなくて、篤希は口を開けて写真と加奈を交互に見た。
紛れもなくこれは篤希の作品だ。
それは分かっているのに何だこれはと別のものに見える。
しかし悪戯が成功したような、少し悪い顔で笑った加奈がそうではないと知らせてくれた。
これは紛れもなく篤希の写真なのだと歯を見せて笑う。
「風邪引いちゃうよ!早く中に入ろ。」
残りの本を拾い急いでカバンの中に入れる。
先に体を起こした篤希が手を差し出そうとするが、その前に可奈は立ち上がった。
行き場の失った手に篤希が恥ずかしくなっていることも知らず、可奈は一息をつく。
「さ、行こ行こ!」
雪に降られる中、荷物を抱えて加奈は走り出した。
傘から抜け出した加奈の後ろ姿を見て慌てて篤希も後を追いかける。
絢子ならきっと手を差し出されるのを待つだろう、しかし加奈は自分で立ち上がるタイプなのだ。
加奈らしさに触れて篤希は笑ってしまう。
紛れもなくこれは篤希の作品だ。
それは分かっているのに何だこれはと別のものに見える。
しかし悪戯が成功したような、少し悪い顔で笑った加奈がそうではないと知らせてくれた。
これは紛れもなく篤希の写真なのだと歯を見せて笑う。
「風邪引いちゃうよ!早く中に入ろ。」
残りの本を拾い急いでカバンの中に入れる。
先に体を起こした篤希が手を差し出そうとするが、その前に可奈は立ち上がった。
行き場の失った手に篤希が恥ずかしくなっていることも知らず、可奈は一息をつく。
「さ、行こ行こ!」
雪に降られる中、荷物を抱えて加奈は走り出した。
傘から抜け出した加奈の後ろ姿を見て慌てて篤希も後を追いかける。
絢子ならきっと手を差し出されるのを待つだろう、しかし加奈は自分で立ち上がるタイプなのだ。
加奈らしさに触れて篤希は笑ってしまう。