オートフォーカス
「ねえ、さっきの写真だけど。」
さっきまで話していたことを思い出し口にしてみた。
「ああ、笠坂くんのやつ?」
そう言って笑うと加奈は窓側の空いている席を目指して歩き出した。
机の上にカバンと拾ったままの荷物を乗せて、彼女に似合う大き目の白いマフラーを首から外す。
「これ、勝手に悪いと思ったけど写真にしちゃったんだ。」
広げた荷物の中からもう一度写真を取り出して篤希に渡した。
さっきまでとは違い、加奈は少し申し訳なさそうに苦笑いをして見せる。
「お気に入りなの。私がよく行く教室も写ってるしね。…迷惑?」
手にした写真を改めて見てもやはり篤希には加奈のような感情は湧き上がってこなかった。
悪く言えば適当に撮ったもの、よく言えば、ピンときた直感から撮ったもの。
お気に入りと言われてもただ課題をこなす為だけに撮った写真に正直それ以上の感情はないのだ。
迷惑ではないのだけれど。
「嬉しいけど…なんでそんなに気に入ってくれてるのか僕には分からなくて。」
さっきまで話していたことを思い出し口にしてみた。
「ああ、笠坂くんのやつ?」
そう言って笑うと加奈は窓側の空いている席を目指して歩き出した。
机の上にカバンと拾ったままの荷物を乗せて、彼女に似合う大き目の白いマフラーを首から外す。
「これ、勝手に悪いと思ったけど写真にしちゃったんだ。」
広げた荷物の中からもう一度写真を取り出して篤希に渡した。
さっきまでとは違い、加奈は少し申し訳なさそうに苦笑いをして見せる。
「お気に入りなの。私がよく行く教室も写ってるしね。…迷惑?」
手にした写真を改めて見てもやはり篤希には加奈のような感情は湧き上がってこなかった。
悪く言えば適当に撮ったもの、よく言えば、ピンときた直感から撮ったもの。
お気に入りと言われてもただ課題をこなす為だけに撮った写真に正直それ以上の感情はないのだ。
迷惑ではないのだけれど。
「嬉しいけど…なんでそんなに気に入ってくれてるのか僕には分からなくて。」