オートフォーカス
「マイカメラ？買うの！？やっぱり一眼レフ？！」

期待させるような篤希の言葉に興奮した加奈が食いついた。

きらきらした目と、その言葉に嬉しくなって篤希は頷く。

やはり彼の思った通りに加奈は感嘆の声をあげながら両手を合わせて感動していた。

なんとなく彼女ならそんな反応をしそうだと篤希には分かっていたのだ。

案の定、加奈はまるで自分のことのように喜んで興奮し続けた。

「カッコいいじゃん！君、センスいいから絶対続けた方がいいよ。偉そうなこと言っちゃってるけど、ファンからしたら勿体ない才能だと思うの！」

嬉々とする加奈の言葉に篤希は赤面する。

ファンだとか才能だとか、今まで一度も言われたことがなく、これからも縁がなさそうな言葉をさらりと言ってくれる。

予想もしない誉め言葉のオンパレードに恥ずかしくなって、篤希は顔を隠したくなった。

そんなこともお構いなしなのか、ただ単に気付いていないのか加奈はにこにこしながら何度も頷いている。

そしてある程度納得するまで盛り上がると、少し気持ちを落ち着けて篤希の手元にある写真に視線を落とした。

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