金髪地味子!?

贅沢悩み

【side彩菜】

「君が好きなんだ!付き合ってくれ!!」
 
 ――どんなにイケメン男でも
         みんな同じ事を言う――


「ごめんなさい。」
 
 ――あぁ。
    何度この言葉を口にしただろう――










私はいつも、校舎裏に呼びだされる。

校舎裏は、うちの学校の告白スポットだ。
呼び出されれば、大抵の女子は、“告白”
だと思って、気持ちがソワソワしたり、
嬉しくなったりするはずだ。

    ――でも私は違う――

今日も、私は校舎裏へと足を向ける。



「あーあ。」

意識しなくとも、嬉しさとは反対の息が出て
くる。

「今日はどちら様ですかぁ~」

なんて気怠そうに呼びかけた。


「橘――春樹です…」


面倒臭そうに向けた視線の先には、髪もボサ
ボサの部屋に引き込もっていそうな感じの男
が、一人立っていた。

「島野彩菜です。」

いつもの様に軽く微笑み返すと、心なしか
橘君の頬が赤く染まった気がした。


すると、橘君ほ慌ててポケットから、紙を取り
出した。


「あの…彩菜さんの事、ずっと好きでした。
    付き合って下さい!!」



  ―アア、ヤパッリミンナオナジダ。―





「ありがとう。でも、その前に…
    
    私の何処を好きになったんですか?」


橘君は、慌てず、はっきりと


 「可愛いところ…」



  ーモウ、コノコトバハ、
    
         “キキアキタヨ”―





< 3 / 19 >

この作品をシェア

pagetop