愛し方もわからずに。








「じゃあ、ね」



「うん、ばいばい」





あたしは気が済むまで泣いた後、千尋君に家まで送ってもらっていた




玄関の前で、鏡で目が腫れてないかチェックすると、意外にもあまり目立たなかった



これなら、お母さんにも心配されることないよね。




「ただいまー」



あたしは、ドアを開けるとそう言ってリビングに入った



すると、リビングにはお母さん
…じゃなくて不機嫌そうな伊吹が。




「な、なんで、アンタが……」



なんで伊吹がここにいるのよ


さっきまであたしが泣いてた原因の、張本人が。





「お前、どこ行ってたんだよ
…男と二人で」



「なんでアンタにそんなこと言わなきゃなんないの?」




意味わかんない
関係ないじゃんか






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