愛し方もわからずに。
「俺は、お前が変な男にたぶらかされてないか心配で…」
「誰と何しようが、あたしの勝手でしょ!
家族でも、彼氏でもないのに干渉しないでよ!」
たぶらかされてるって何よ。
千尋君はいい人だもん
少なくとも、好きじゃないのにキスできるアンタよりはね。
「…………」
伊吹は、何も言わずに傷ついた顔をしてる
「アンタだって…。アンタだって、前田さんとキスしてたじゃない!!」
「そ、それは…。
って、なんで知って…!?」
伊吹は一瞬目を泳がせた後、心底驚いた顔をした。
「見たの…!
ショッピングモールのトイレの前でキスしてるの」