愛し方もわからずに。








「好きだよっ!」




もう、こうなったら開き直ってやる



「意地悪で、自己中で、バカで、憎たらしくて、けど時々優しいアンタが好きなの!!」




そう叫んだあと、伊吹をみると口をポカンと開けていた





ああ、終わったよ
わたしの恋。



泣きそうになったその瞬間、わたしは強引に腕を引っ張られて暖かいものに包まれた





「…俺もだよ
俺もお前のことが好きだ」



「え…?」





それが伊吹の腕の中だって気付いたのは、伊吹がわたしの耳元で切な気にそう呟いたあとだった





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