愛し方もわからずに。
伊吹が呟いた言葉が頭の中で何回も繰り返される
伊吹が…わたしを、好き?
ウソでしょ…?
「マジなんだよな?」
伊吹が抱き締める力を強めて言った
「お前、本当に俺のこと好きなんだよな?」
わたしが小さく頷くと、伊吹はさらに腕の力を強めた
「やっとだ…」
「え…?」
「お前、俺が片想い歴何年だと思ってんだよ
10年以上だぞ」
10年…
ってことは、物心ついたときからわたしのこと好きだったってこと?