愛し方もわからずに。
母親は勤めていた会社の部長の愛人で、その人との子供が千尋君だった
望まれた子供じゃないからと、3歳のとき他の男が出来た母親は千尋君孤児院の前に捨てて行った
今は、お金持ちの家に養子として引き取られてサッカーの推薦で高校に行っているということ
そのあと、中学になって塾で知り合った三つ年上の子と付き合うようになった
その子には、家庭の事情も話してて辛かったねって慰めてくれた
けど、その子が友達と
“良い遊び相手なんだけど、年上の湊の方があ私にはあってるかも。ま、千尋も可愛くて好きだけどぉー。なんか?家庭の事情が意味わかんないんだよね”
って言ってるのを聞いてしまった
それから、愛というものと女の人が信じられなくなった
だから、そのあとは女の子とは適当に遊んで“来るもの拒まず、去るもの追わず”精神になったということ
そう話してくれた
「あ、俺それでも二股はしたことないよ?
アイツと一緒にはなりたくないしね
てか、なんで俺初めて会った人にこんなこと喋ってんだろ」