愛し方もわからずに。
どうしよ…
目の前には、伊吹の綺麗な顔
心臓は、もう不整脈で死んじゃうんじゃないか
ってくらいドキドキ言ってる
「ちょ、伊吹?」
抵抗してみるけど、男の力にはかなわない
本当、綺麗な顔してる
まつげ長いし鼻高いし肌なんか、あたしよりきれいなんじゃない?
「ぇ…」
抵抗を諦め、綺麗な顔を観察してると伊吹は小さく寝言を言った
「もえ…」
え、あたし?
伊吹は、夢でもあたしと一緒にいるの?
―――愛しい
あたしは、徐々に伊吹と顔を近付けていった
5センチ、3センチ
あと、1センチ…
って、おい!
あたし何やってんだ!!!
1センチも距離がないってとこで、正気に戻った
何やってんの、あたし…