愛し方もわからずに。





男の方は伊吹だった



横顔でもわかる、綺麗すぎる顔。




そして、あの細身のダメージジーンズ。
それはあたしがプレゼントしたものだった





「伊吹…」



二人の唇が離れると、伊吹に表情は無い




女の子の方は、満足気に微笑んだ前田瑞穂だった





「嘘でしょ…?」



目から涙が溢れる。




その場にいられなくなり、あたしはどこに行くわけでもなく走った




「え、ちょ、萌香ちゃん!?」




千尋君の焦った声が聞こえたけど、無視した





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