本当の私は甘いかも。
社長の言っていたことを思い返してみる。
大和君も来るから楽しみにしててってどういう意味だろう?
私の疑問に西条さんは手帳を取り出しページをめくる。
そして、難しそうな顔をしながら口を開いた。
「大和様は松坂屋社長の後継ぎ息子、松坂 大和(まつざか やまと)様の事でございます。えぇー社長は大和様と有理お嬢様がとても仲がよろしいと思っておられますが、実はお互い嫌いあう犬猿の中なのでございます」
うわー何それ!難しい設定…。
私はまたため息をこぼす。
「まぁ…この際立花様が有理お嬢様に代わって大和様との仲を取り持つのも1つの策かもしれませんね」
西条さんの提案はさらに私を悩ませた。
有理お嬢様の状態を保ったまま犬猿の仲を回復するなんて、私に出来るの?
自分に問いかけてみるけど…
答えはもちろんNOだ。
私はぐたーっとソファーに寝ころんでしまう。
その様子を見ていた西条さんは
「では、パーティーのご説明は後ほどいたしますので、それまでくつろいで下さい」
そう言って静かに出て行った。
1人残された私はその静けさに眠気が一気に増していた。
今は…少しだけ休憩させて……‥
そしてゆっくりと夢の中に落ちていった。