本当の私は甘いかも。
会場にはいくつものテーブルが並べられていて、そこに美味しそうな料理が所狭しとあった。
その周りに偉そうなおじさん方が会話している。
椅子はなく立ち歩きパーティーのようだ。
予想以上に豪華だなぁ。
ホントに…住んでいる世界が違う。
レッドカーペットの上を歩きながら、ふと思う。
両親のいない私はアルバイトをしながら大学に通っていたため、ど貧乏だった。
毎日節約して、1日2食のおにぎりだけという日も多々あり生活は結構苦しかった。
それが急に…こんな凄くなっちゃって。
多分有理お嬢様がいなくならなかったら、私がこんなパーティーに来ることなんてなかったんだろうな。
いや、まずあんな大きなお屋敷みたいな家にはいれなかっただろうし、フカフカ高級ベッドで寝られなかっただろうし…。
たった2日しか経ってないのに、挙げたらきりがないくらい初めての事を経験させて貰っていた。
有理お嬢様には少し感謝しなくちゃな。
そして私は手元にあったイチゴを摘み食いしていた。
おいしい♪
「お嬢様っ、摘み食いはいけません」
すかさず西条さんに釘を刺されたが、私は今有理お嬢様だから
「うるさい。別にいいじゃない」
謝ること無くケロッと言ってのける。